2017-07-07

櫻の汗衫、萌黄紅梅などいみじく、汗衫長く裾引きて、取り次ぎまゐらす、いとなまめかし。


(1)平安時代童女の宿直装束「汗衫」

訳:桜色(表が白・裏が赤色)の汗衫(童女用の装束)になぁ~~~萌黄色(黄緑色)や紅梅色(濃い紅)なんかの着物がめっちゃ素晴らしくってなぁ~~~、汗衫の裾を後ろに長く引いてえ~お清めの道具を手から手に渡していく様子はなぁ、と~~ても綺麗で面白い。やんかぁ~~~

汗衫とは元来は汗取りとしての肌着だったものが上着となり高級化した子供用装束です。
特に宮中儀式に伺候する童女が着装する装束を「公家童女の晴れの装束」、同じく宮中の夜勤の際には表袴、石帯をはずした姿は「汗衫 宿直装束」と称されていました。

形は武官の袍と同様で裾が長く、襟を内側に折って垂領に着るので正面から見たところは袿に似ています。
脇の部分が縫われていないので胸元を寛げて着付け、身頃二巾仕立て後身長さ一丈五尺、前身一丈二尺という長い衣装
着方は襟元を拡げ、裾を左右に後ろに長く引く濃色の長袴の上に表袴を履き、行動的機能的に着用していました。

汗衫 晴れの装束
着用者が未成年者なので丈の短い女児用上着の衵を重ねて、通常布1・5幅分の袖を三分の一ほど裏に折り返して着装します。
単と長袴は未成年であるので濃色(紫)で束帯装束のように白い表袴を女性用の長袴の上に履く独特の着装方をしています。

これは、衣装が国風化する以前は宮廷に仕える女子も男子同様に下袴の上に表袴を身につけていた名残であり、 高貴な女児の宮廷出仕用の装いとしての格式を表現するものだそうです。

成立初期には男子の束帯のように石帯をしたり、髪型も「あげまき」という男児風に結われて中性的な装いだったそうです。
IMG_7420_2017022020344790c.jpg

IMG_7418_20170220203520ba9.jpg
これはすでに八千代市立郷土博物館で体験済みですね。

中期以降髪型は「垂髪」、帯も汗袗と同生地で仕立てられた当て帯に変わりより成人女性の装いに近い装束になったそうです。
成人男子の宿直装束に相対するものとして、表袴と帯を略す「汗袗の宿直装束」を体験します。

IMG_2579_20160617222312593.jpg

IMG_2607_20160617222343b47.jpg

IMG_2578_2016061722231939c.jpg
枕草子絵図で見られる様に行事で折敷に乗せた薬玉、食事、日常調度品を手に扇で顔を隠しながら歩行し奉仕していました。
これの再現を黒田装束店さんにお願いしました。

まず事前に予約したい旨の連絡をして、黒田さんの都合等時期をある程度聞いてから、体験したい季節を自分なりに決めました。
「体験時期は出来れば祭事のない6月~9月頃がよい」との事、なかなか人気の様なので早め予約がいいかと思います。

勿論黒田装束店さんが受けてくれるかどうかが問題ですが。

体験日ですが、前年に出来れば「亀末廣」さんの乞巧奠を購入したいと考えていたので「七夕の日」をだめもとで問い合わせてみました。

「出来れば7月7日に訪問したい」と伝えた所快く承諾していただき詳細は後日メールでいたしますと伝言しました。

「ちょうど吉日でよろしい日です。」と言っていただけてほっとしました。

後用意する小物は下記
高杯
御膳やお茶などを置く盆

折敷
献上品の数数を置いてお渡しする器

乞巧奠は元々裁縫の上達を願った宮中行事が七夕の伝説と結びつき7月7日に裁縫、音楽、和歌、書などの芸事の上達を祝う行事です。宮中では前日の夜からお供えの準備をして、和歌や舞をしてひこぼし、おりひめの星を眺めて饗宴していました。

蓮の葉と花
丁度旧暦は8月蓮の季節です。
お供えものとして添えられていました。旧暦なのでシーズンですが、今はまだ早いんですね。だから造花

梶の葉
樽に水を入れ梶の葉を浮かべてその中に星を映したといいます。
室町時代から和歌を梶の葉に書いて楽しみました。
しかし平安時代頃は梶の葉ではなく赤芽柏を使用したといいます。なのですが体験前にすぐ傍の京都御苑で赤芽柏GTEできなかったので梶の葉にしました。
赤芽柏は植物ですが、雑草なので空き地にわさわさあるそうです。

唐菓子(4月に用意していた賞味期限は過ぎているのであくまでも撮影用)

さて黒田装束店さんで用意頂けるものは

白小袖・長袴

重ね衣と表着

汗衫一式
袴は通常濃色の長袴のままなので宿直装束です。汗衫も本来の物とは少し違いますが、宿直装束ではこの形が完全コピーに近いのでかえってよかったです。

裳一枚

檜扇

さて丸太町の駅構内で化粧と髪の毛に物忌を付けていざゆかん黒田装束店さんへ。

まさに老舗という古い京町屋の旧店舗の右に洋風なおうちが黒田装束店さんです。
1階の一間を体験の間にされています。

黒田装束店さんの装束は平安時代古来の「なえ装束」で製作されています。
なえ装束は糊などで固めず、柔らかな流動的なシルエットを作りさせる風流な都人が愛したのもうなずけます。
今体験出来る装束のほとんどが強装束(こわしょうぞく)といわれる。平安時代末期に誕生した糊ずけさせた装束でその名の通りがちっとした装束を言います。
平安時代に特化した場合はやはり黒田装束店さんのなえ装束が最高~~~絵巻物に出てきそうなあの流線的な風情が体験出来ます。


「汗袗の宿直装束」


宿直装束とは天皇や中宮の御殿で午後から夕刻・夜に当直する際に過ごす装束をいいます。
衣冠はまさに男子装束の宿直装束から始まる装束でした。
体をしめつけない着つけがほどこされていました。
今回は完コピするために出来るだけ再現をお願いしました。

童に宿直装束と云ふことあり。常に人知らず。打衣一つ重ねたる五つ袙に張袴常の如し。その上に汗衫を着るなり。首の折り様端袖の返し様常の如くして。帯をせで唐衣の様に着せて後ろの脇のもとうら上。前の脇のもとうら上を袙に綴ぢつくるなり。常に人綴じ所知らず。秘すべし。表袴を着ず。帯せぬ故に宿直装束と云ふなり。聟取の所顕などせざらん先に着るべきなり。

「満佐須計装束抄」から
著者源雅亮は平安時代後期近衛天皇から高倉天皇に仕えた有職家が書き興した装束儀式記録本

白小袖
(平安末期鳥羽院と源有仁が強装束を生み出した後、白小袖を着るようになりました。平安時代白小袖は装着していませんでした・・・・現在素肌に単は自前でないかぎり無理・・・・・・・・)

濃き長袴(紫色)
濃きは未婚・年若い女児の色
汗衫は童女の装束なので濃き
ちなみに平安時代に新居に移る際には緋袴は火を連想させるので、火をさける緋をさけるというゲン担ぎで「白長袴」が存在してました。


元々は下着で素肌の上に着て表着が汚れない為に肥大化していったそうです。
小袖をきるようになってからは単に約束事として着ているか表着が汚れないために着ていました。

五衣
本来は袙を五枚重ねるのですが、黒田装束店にはないので袿を4枚重ねます。

打衣
平安時代衣に糊のほどこされていた強装束ではありませんでした。
なので装束を整える役割の打衣を装着します。
今装束店さんで作られているのはほぼほぼ強装束、糊で堅く着た感じもごわっとしています。
この強装束は鳥羽天皇と源有仁(御三条天皇の孫)から始められたとされています。
黒田装束店さんはめずらしく強装束ではなくなえ装束です。
なだらかな曲線は優雅さまさに平安絵巻物の絵の様~~~~いとをかし


IMG_9203_20170805171653a78.jpg
単は鮮やかな萌木色
IMG_9209.jpg

重ねは黒田風紅葉重ね
でも時期が?ですよね。でもこれがきてみたかったんです。


IMG_9212_20170805172011dff.jpg
あてなるもの 薄色に白襲の汗衫

訳:めっちゃ素敵なもん 薄い紫色の袙に白の重ねた汗衫やん

汗衫は、春は躑躅、桜、夏は青朽葉
訳:汗衫の色はなぁ~~春はあぁ躑躅色~桜色やん 夏は青朽葉色はやん~~~


汗衫は。尻長と言へかし
訳;汗衫はなぁ~~~見た感じ尻長っていうたらいいやんかぁ~~~

IMG_9225.jpg
IMG_9239.jpg
中宮さまへお菓子をお運びする伺候する童女
お菓子は亀屋清水さんの「清浄歓喜団」唐菓子
奈良時代、遣唐使が仏教の伝来と共に日本へ渡来したお菓子は神社の祭礼に供えられた神饌果
宮中や貴族の間でも食されていました。
両店舗さんとも昔奈良時代に作られていた唐菓子の復刻盤を現在も造られています。
亀屋清水さんは江戸時代初期、水田さんは室町時代中期に創業された老舗和菓子店です。
IMG_9245_20170805173028857.jpg
IMG_9267_20170805173105151.jpg

乞巧奠のお供えを準備する宮中儀式に伺候する童女
五色の紙を手に持つ

IMG_9274_2017080517361060c.jpg
IMG_9277.jpg
お供えする途中で宿直装束の後ろがほどけて大わらわ
IMG_9278_201708051737121a5.jpg
IMG_9280.jpg

IMG_9278_201708051737121a5.jpg
IMG_9280.jpg
IMG_9281_201708051741486ef.jpg
お供えの蓮の花と葉を手に持つ
IMG_9259_20170805174423aad.jpg
IMG_9263_20170805174441c46.jpg
梶の葉を手に持つ乞巧奠の和歌を読み梶の葉に書いてみる。
IMG_9234_20170805174241786.jpg
中宮さまからの下賜の唐菓子をいただく童女
IMG_9251_20170805174505a82.jpg
IMG_9292_20170805174526b67.jpg
IMG_9294_201708051746013b3.jpg

.

今回の体験も無理をいい・・・申し訳ない限り・・・・・・・・。
大変堪能しましたとご主人と奥さまにお礼を述べて失礼しました。

まだ時期は未定ですが、セミ装束卒業後も黒田装束店さまには度々訪問するかも・・・・・・・

その足で、バスに乗り、京都市立図書館内にある「アスニー京都」へ。
京都で無料平安装束が出来る場所です。
IMG_9357_20170805175030bf9.jpg
IMG_9373_20170805174939a5d.jpg
IMG_9369_20170805175100633.jpg

今回は「狩衣」と「大腰袴緋袴編」をお勉強しにきました。


スポンサーサイト

theme : *コスプレ*
genre : サブカル

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

フリーエリア

プロフィール

mai syonagon

Author:mai syonagon
京都好き、歴史好き、ショッピング好き、温泉好き、グルメ好き。
凝り性な乙女座、A型、金星人、六白金星なわたしです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
宮仕え中につきお願い
宮中出仕中につき、更新は不定期となります。ご理解ください。 又、過去の記事を記載している為に掲載している季節と月日が合っていません。 季節は題名、カテゴリー別の方を優先し、過去分の月日は無視してください。
QRコード
QRコード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク
RSSリンクの表示
検索フォーム
天気予報

-天気予報コム- -FC2-
おすすめ