舞少納言「伊勢国詣で・斎宮」

6月梅雨の時期なんだかしんみりする頃ですが気分を変えて詣で開催!

花の季節ちょうど紫陽花、花菖蒲と見頃の時期です。

そしてこの機会に「平安時代体験」という訳でその二つを体験することにしました。

「伊勢国明和町へGO」

天武天皇以降室町時代初期まで歴代天皇達はその即位毎に伊勢の「天照大神」の祀る伊勢神宮に神への奉仕を行う天皇の代理「御杖代・斎宮」を決定していました。

平安時代以降彼女達は内親王もしくは女王が年少のうちから陰陽道により、吉方をト占(亀の甲を火にかけてヒビわれから吉方を占う)で決定されます。
この占い正式には吉方いわゆる「良い方角」が決定し、その方向に住む内親王や女王を一名選出します。

但し時に政治的思惑や時の天皇の思考が影響することがあり、必ずしも確率の問題でもないようです。

飛鳥・奈良時代
初代(実在する斎宮の内生存が確認できる斎宮)大来皇女は天武天皇の長女

井上内親王は聖武天皇の長女

酒人内親王は母井上内親王で皇后腹の娘しかも母弟の天皇呪詛の幽閉と同時にト占された事実から酒人内親王の保護
と妃する目的とし、その娘も朝原内親王は桓武天皇の斎宮となります。

平安時代
当子内親王は三条天皇鍾愛の皇女だったのを道長と三条天皇の政治的軋轢で意図的に選ばれたとも言われています。媞子内親王は白河天皇の長女で中宮腹の内親王です。白河天皇の即位は盤石とは言えない状況だったのであえて鍾愛の皇女が選ばれたとも言えます。
ただ鎌倉時代以降天皇家の権威が失墜していくと以降重きをおかれなくなり、南北朝時代の混乱で途絶えてしまいます。


さて新斎宮が誕生すると平安京の中に「初斎院」と呼ばれる施設へ移り、住み身を清める生活を送ります。
一年後の秋に野宮で穢れを祓い、更に翌年の秋伊勢神宮で開催される神嘗祭に合わせ伊勢の国の斎宮へ出向きます。

その際天皇の臨席する内裏内で「別れの櫛(斎宮の頭に天皇が櫛を差す儀式を行います。

天皇が「都の方におもむきたもうな」と言いい斎宮の髪に櫛を挿すと天皇は背を向け振りらず別れを告げます。
しかし歴代天皇のうちこの振りかえらないという禁句を破った方がいらっしゃいました。
三条天皇です。
彼の鍾愛の皇女当子内親王(母は皇后藤原娍子)を別れが辛いばかりに斎宮の姿を見る為に振りかえったと大鏡は伝えています。
余談ですが、この斎宮は三条天皇が藤原道長の圧力で心ならずも退位を余儀なくされ一条天皇に譲位すると、帰京します。
しばらくして元斎宮は藤原道雅(この方あの藤原定子の甥・伊周の長男)と蜜通していると噂された事に腹を立て、道雅を叱責これを機に彼は政界を追われます。二人を手引きしたという乳母中将内侍も追放、元斎宮は母娍子の邸に身を預けられそのまま落飾し6年後世を去ります。
この事件は斎宮任命前に道雅が横恋慕したとか、すでに恋仲だったとか・・・・・・。
しかしその相手が伊周の息子、つまり道長の政敵です。この時まだ定子の敦康親王が存命で道長の長女中宮彰子腹の2親王(後の一条・後朱雀天皇)がいるも帝位への障害と考えてもおかしくはありません。
政敵潰しである可能性は十分にあるかも???
どちらにしても斎宮は災難です。
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斎宮は斎院と違い闇夜にひっそりと京を後にします。
この行列を「斎宮郡行」といい伊勢までの長い道を経て斎宮へ到着したそうです。
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しかし伊勢神宮の傍に居住するのではなく、20Kも離れたこの斎宮で生活され、年に3度だけ伊勢神宮に赴き祭事を行います。
実際の催事は伊勢神宮の神官達が行い斎宮は太玉串を見神宮の瑞垣門の前の西側に立てはするものの、守っているだけだったそうです。
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正面に座される斎宮と乳母の命婦
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私達の考える斎宮とは伊勢にずっといて祭事を行うとい想像をしがちですが、どうやらそうでもないようで、
この斎宮では当時の京雅な生活を過ごしておられたようです。

ただやはり年中行事は今よりも多いので始終遊んでくらしているわけにはいかなかったでしょう。
儀式や穢れなど都以上の堅苦しい生活だったと考えられます。
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彼女達は概ね天皇の交替や身内の不幸で退任するのですが、自身の病や取り立てて理由がない(桓武天皇皇女朝原内親王)場合もあります。
帰京後の彼女達の生涯はほとんど不明だったといいます。

そんな斎宮の生涯と平安時代の体験、そして花観賞をテーマに斎宮を訪れました。

近鉄河内松原駅から橿原神宮経由大和八木経由伊勢中川経由斎宮へ到着しました。5回乗り換え~~~~大変です。
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斎宮駅に到着
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紫陽花も同じ様に見頃です。

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徒歩古代伊勢道を通って
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朝顔?昼顔?

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あげは蝶が食事中
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「斎宮歴史博物館」へ向かいます。
斎宮の歴史をわかりやすく展示されている資料館で出土した祭事用の土器などの遺構を公開されています。

斎宮郡行の様子を映像で再現しています。
館内で平安時代の女官がお出迎え
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童女
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童子

斎宮の生活や郡行の様子を人形で展示しています。

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斎王の住まい
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神殿
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葱華輦
天皇と中宮(皇后)と斎宮斎院のみが乗る事を許された輿


観光の情報は【こちら】

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今日のランチ場所は「いつきの茶屋」を目指します。
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伊勢名物「伊勢うどん」
江戸時代に流行したおかげ参り「伊勢大神・豊受大神」さまにお参りするために全国から来た参拝客に提供された饂飩です。
長旅で疲れた旅人にふるまわれたやわらかい麺が名物です。
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&暑いのでマンゴーアイス
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街道に建てられた微子女王(王女御)の和歌

その後近くの「史跡公園斎宮の森」へ。
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斎王宮跡
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斎宮跡の碑
ここは古くから斎王御所があったと伝承されていた場所です。
ただ斎宮の御殿はその時代毎に明和町内を移転しているので、特定は困難です。
現在は駅の反対側にある「竹神社」が斎宮の御殿跡といわれています。

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いつきの茶屋前は「野花菖蒲」がうえられています。

いわゆる私達の知る菖蒲とは平安時代の菖蒲とは違う植物なんだそうです。
剣のように勢い良く伸びる葉と独特の香気が中国古来から端午の邪気を払う厄除けの植物として、大和時代にこの風習が伝えられたそうです。
花菖蒲はあやめ科ですもんね。
今でも京都の古い町屋や老舗和菓子屋なんかでは端午の節句に屋根の軒下にこの菖蒲の葉をぶら下げて邪気を祓っている光景の見受けられます。
端午の節句の菖蒲湯も元はここからの云われなんだそうです。

この花は栽培用のどんど花と呼ばれる野花菖蒲です。近くに野生の野菖蒲の群生場所がありますがもう散ったでした。
この花菖蒲から江戸時代に愛好家によって盛んに「品種改良」が行われ、現在多種多様な菖蒲が楽しめるんです。


さて遊びまくった後は平安時代体験へ。
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駅の傍にあるいつきのみや歴史体験館へ。
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王朝人たちがくりひろげていた平安時代の遊びや生活文化を、いつでも気軽に体験できる施設です。
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建物は平安時代の寝殿造りに建築されています。

まず、化粧を整え垂髪を装着して準備万端で臨みます。

14時~「十二単体験」
以前京草子を始める前に訪問した際は桃と赤の色違いの女房装束でした。
今回は夏の装束を着付けてもらいます。

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生地は京都黒田装束店さんの物でかなり確かな品物もちろん正絹製です。
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小袖と袴姿(袷仕立)
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単衣 萌黄幸菱紋紗 掛衿付
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五衣 雲立粋紋紗 紅梅襲裏無地紗
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打衣 赤無地綾裏生絹
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表着 萌黄白小葵紋地 三色臥蝶丸紋裏付
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唐衣 萌黄亀甲向蝶裏小菱紋綾
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裳を付けて仕上げです。
檜扇三十二橋彩色
佐竹本三十六歌仙絵巻「小大君(こだいぎみ)」の装束
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小大君とは平安中期の女流歌人(父母不詳)円融天皇の中宮藤原媓子女房
後の三条天皇(居貞親王)の東宮時代に下級の女房である女蔵人となった宮中女官です。
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小袿は無料で着れます。
小袿姿は鎌倉時代以降の女性貴族の平服です。
平安時代まで着ていた十二単は貴族の没落と武家の断頭により、しだいに簡略化されてしまいます。
宮中の女官の衣装もこの小袿姿が一般的になってしまいました。
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盤双六
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貝合わせ
平安時代は左右の各組の形が珍しく美しい趣のある貝を持ちよって優劣を競う遊びでした。
時代が移ると貝合せは貝覆いと呼ばれて貝の合わせが1組である事から組み合わせのゲームとなっていいます。

香り
平安時代科体を洗うという習慣は皆無でした。
そのかわり香りを着ものに焚きつけていました。
その香りの原料の多くは植物性、動物性、樹脂などの天然香木でした。
着物の合わせ、和歌、楽器と共に当時の皇族貴族の教養の科目だったんですよ。


観光の情報は【こちら】

実はまだ日が高いので伊勢市まで行くことにしました。
伊勢といえば伊勢神宮です。
内宮まで行くのは難しいので外宮を参拝しました。江戸時代大流行した「おかげまいり」は実は全国からこの外宮を参拝していました。内宮は私幣禁断(神に奉献する行為で天皇にのみしか許されていなかった)
外宮は豊受大御神
元丹波で祀られていた「食物・穀物を司る女神」だそうです。
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前遷宮の際に正宮であった神殿跡
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前回はまだ正宮がありましたが取り壊されていました。
使用していた建物は再利用されるそうです。
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ちらりと見える内部・伊勢神宮は内部非公開です。
一つ手前の神殿は皇族総理クラスがその奥は天皇のみが拝殿する事が出来ます。
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正宮

さいぐう館はすでに閉館
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勾玉池のほとりに菖蒲が満開に咲いています。
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傍の赤福外宮店
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「赤福かき氷」
意外と美味しかったです~~~~


満喫した「雅な一日」でした。再び大阪へ帰ります。
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